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胡蝶の夢〈4〉 (新潮文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 26239 位
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今もあまり変わりはない
本作品は幕末から明治頃の医療の現場を題材にした作品です。
読み終えて最初に思ったことは、「いまの日本に良順や関寛斎のような医者がどれくらいいるのだろうか」ということでした。
伊東玄朴などのように医療を政治に使う人間が消え、良順や寛斎などのように患者を第一に考える医者がもっと増えることを本作品を読んで切に願いました。
3人の主人公から見た幕末
医師松本良順の物語だと思って読むと
ちょっと違うかもしれません。
もちろん松本良順のことが描かれていますが
伊之助氏や間氏といったあと二人の
主人公がいます。
出自や身分が異なっているのに、
同時代に医学や蘭学を学ぶことになる3人それぞれから見た
幕末が描かれていることによって
幕末を立体的に深みをもって感じることができます。
役人体質って変らんのか?
新撰組フリーくなもので、松本良順さんの名前は知っていましたが、本作で、ようやく当時の蘭法医たちの輪郭が見えてきました。司馬先生が書こうとしたしたテーマは別にしっかり骨太にあるのですが、幕府の漢方医らのイヤガラセめいた工作とかが、主人公に感情移入してしまうくらい克明に書かれてます。良順さん自身は明治まで長生きした人ですが、幕末を語るのに薩摩・長州をテーマにしたものは数多く有る中で、このテーマはかなり出色。この作家は取材と言うか、執筆前に綿密な下絵を書く方だったようで、それがあるからこそ、リアルな描写ができ、作品に厚みが出るんでしょうね。ああ、久々のレビューなので、言いたいことが散漫ですね。反省。
関寛斎について
この作品で初めて関寛斎翁の事を知った。かの翁が73歳にして全てを捨て、理想を求めて北海道に渡り、
開墾の鍬をふるったのが陸別という町である。これを知って驚いた。私の生れ故郷のすぐ近くの町であったからである。
読後、数ヶ月して田舎に帰った時、陸別に赴いた。
小高い山の上、自然林の中に石碑が立っていた。蜂須賀家の名もあり、関寛斎を顕彰するものであった。
なぜか涙が出てきた。本来であれば、医学を以って新政府にも出仕し、日本の医学の発展に貢献するべき人だった。
しかし、関翁はその様な栄達を捨て、今でも寒さが厳しい土地へ入植し、そして自死した。
読者の方々はマイナス35度というのが想像できるだろうか。仏壇に水をあげたら、翌朝には全て凍っている。朝にはダイヤモンド・ダストが見られる。
川は凍り、音というものが無くなったような静寂。時折聞こえる木が、その中にある水分が凍って割れる音。
そんな所で老年になって自分の生き方を求め、真の理由は想像すべくないが、83歳にて毒をあおぎ死んだ関翁の生き方に只涙がでた。
関翁の事を知っただけでも、司馬先生に感謝する。
全4巻読み終えて・・
医学界という特殊な視点から見た幕末の物語である。医師というものは技術者ある。しかも、人間の生老病死にかかわる特殊な役割を持つ技術者であるため、特殊な空間に存在することが許される。たとえば将軍家茂の最期に立ち会う。普通幕臣であっても征夷大将軍の顔を見ることさえ稀であるはずである。しかし本書では死期の迫った家茂の布団のなかで松本良順は仮眠をとってる場面(第3巻)さえある。いろんな空間に引っ張り出される。そこでいろんなものを見る。それだけゼネラルな視点を持っている医師の目(とは言っても職人であるため考え方は偏っているのかも)で物語は進んでいく。 物語は、まるで見てきたかのように司馬遼太郎さんがリアルに綴っておられます。『歴史』の側面というものを特殊な観点で感じることができる、それが本書の魅力です。 最後に、物語の主役の一人である「伊之助」は最高に魅力的なキャラクターでした。神であるかもしれないと感じています。
新潮社
胡蝶の夢〈第3巻〉 (新潮文庫) 胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫) 胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫) 歳月〈下〉 (講談社文庫) 歳月〈上〉 (講談社文庫)
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