生きがいについて (神谷美恵子コレクション)



生きがいについて (神谷美恵子コレクション)
生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

ジャンル:自己啓発,能力開発,意識改革,自己改革,学習
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悩みを抱えるすべての人に

神経症で休職し、家で悶々と療養していたときにこの本に出会いました。

自分が体験した以上の絶望的状況に立った人たちが、生きがいを取り戻していく例を幾つも見せられ、いままで思い悩んできたことの小ささに恥じ入りました。

同時に小さくはあるけれども、この体験もまた人類共通の悩みである『生きがい喪失』からの回復の過程なのだと現状を肯定し、前へ進もうという決意ができました。

巻末の書評を先に読み、『こういう本に安易に手を出してしまいがちなヤワな読者が嫌いだ』という言葉に耳が痛たく、しばらく読むのを躊躇しましたが、
この評に耳が痛たいと感じた時点で、自分の悩みに真剣に向き合う準備=読む資格があったのかなと読んだ後に思いました。
生と普遍的愛の結晶

著者は精神医学、心理学、哲学、宗教、そして自らの体験から、多角的に「生きがい」の意味と精神の働きを考察しています。

死を背景に生きるハンセン病患者や死刑囚。彼らの手記や対話を手がかりに、「生きること」「愛すること」の真実を解き明かしていきます。

著者の経験と学識による、圧倒的な説得力と真実性。 患者らの身体的・環境的制約から立ち上がる、精神の気高さと豊かさ。

[人間そのもの:実存]から垂直に立ち上がる言葉は、美辞麗句で飾られたものではありません。

少し引用させていただきますと…

「自然は総ての生物を抱え大きく呼吸し、無言の愛情の中に抱いてくれるのです」

「私の悩みは人類の悩みだ」

「人の世をはなれて人の世を知り 骨肉をはなれて愛を信じ 明を失っては内にひらく青山白雲もみた。らいは天啓でもあった。」

「その姿の根底にあるものが真の愛であるか、それとも単なる利害関係によるものかを問うのは止めよう。真の愛は自らを語らない。意識すらされないのがほんとうであろう。愛はただ黙々としてはたらく。」

…著者と患者達の、生の結晶です。 もし「生きがい」を見失ったあなたがこの本を開いたならば、読み終えるころには、「生きがい」は自分自身に統合され、「かけがえのない意味として宇宙に立つ私」に気付くことでしょう。


読む資格があるかどうか未だに分かりませんが

巻末の坪内祐三氏の“むしろ私は生きがいについて、というタイトルの本に安易に手を出すヤワな読者が嫌いだ”という強烈な書評に戸惑わされます。 読んでみてわかりましたが、これはある意味で的を得た論評です。 なぜならこの本の中で神谷美恵子女史は“生きがいとは何か”という答えを読者に与えてはくれないからです。 これはむしろ当然のことで、人に教えられた生きがいなど、所詮生きがいとはいえないからでしょう。 

当然のことですが、精神学的な分析や叱咤激励など、“生きがい”というものに苦しめられている人にとってはなんの助けにもなりません。 むしろ腹立たしいだけでしょう。 神谷氏は医師であり、不条理なまでに“生きがい”を剥奪されてしまったハンセン氏病患者とともに生きた人です。 そしてこの本の中で彼女は、古今東西の様々な“生きがいを失った人達”の文章や生涯を挙げて、“生きがい”というものの多様性と本質に迫ろうとしています。 もちろん“これが生きがいだ!”と定義できるものなどは見つけられないのですが、その、生きがいを失った人達ととことん向き合い、話を聴こうとする態度そのものに名状しがたい感銘を受けてしまうのです。 “生きがい”が人それぞれのものである以上、他人がそれを与えたり、失ったそれを取り返してあげることなど出来はしません。 しかし神谷氏のこうした生き方そのもの以外に、人に“生きがいを持とう、充実した生を送ろう”と思わせるものもないだろうと思います。 見事な態度であり、立派な本だと思います。 是非ご一読を。
何回も読み返したい

神谷美恵子の優しい視点からつづられた名著。

人間が生きがいを失って、そこから以下に回復していくのか。

ハンセン病の隔離施設であった愛生園での活動から書かれている。

どんなことでもその人が生きがいとすれば、途端に自分の周りの世界が輝きだす。

そのおかげで明日の命も輝く。

本当に何回も読み返したい1冊である。
存在の意義

 「平穏無事なくらしにめぐまれている者にとっては思い浮かべることさえむつかしいかも知れないが、世の中には、毎朝目がさめるとその目ざめるということがおそろしくてたまらないひとがあちこちにいる。」これは本書の冒頭部分である。一度でもこのような思いをしたことのある人、現在このような思いを抱いて生きている人などに是非読んでもらいたい。
 最終章で筆者はこう言っている「人間の存在意義は、その利用価値や有用性によるものではない。野に咲く花のように、ただ無償に存在しているひとも、大きな立場からみたら存在理由があるにちがいない。」
 本書は自分の存在価値を認められず苦しんでいる人々の救いになる一冊ではないかと思う。




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